【2026年4月1日に労働安全衛生法が改正】施行スケジュールとやるべきアクションを確認しよう

2026年の労働安全衛生法改正はいつから施行されるのか――。改正の施行日を正確に把握し、計画的に準備を進めたい企業担当者の方は多いのではないでしょうか。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法(安衛法)は、2025年から2028年にかけて段階的に施行される大規模な改正です。個人事業者への安全衛生措置の拡大、化学物質管理の強化、ストレスチェックの全事業場義務化など、業種を問わずほぼすべての企業に影響が及びます。
「うちの会社はいつまでに何を準備すればいいのか」「どの改正が自社に関係するのか」――こうした疑問を抱えている労務管理担当者や現場管理者の方に向けて、この記事では改正の全体像と施行スケジュールをわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- 2026年労働安全衛生法改正の全施行スケジュール(2025年5月〜2028年5月)
- 各施行日ごとの改正内容のポイントと対象事業者
- 企業が施行日までに進めるべき準備アクションの優先順位
- 立ち仕事の現場に特に関係の深い改正事項
- よくある質問への回答(FAQ)
労働安全衛生法改正の施行日はいつから?2025〜2028年の段階施行スケジュール
今回の改正は一斉に施行されるのではなく、2025年5月の公布日から最長2028年5月まで、6つの段階を経て順次施行されます。まずは全体像を一覧表で確認しましょう。
| 施行日 | 主な改正内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 2025年5月14日(公布日) | 注文者の配慮義務の拡大(建設業以外にも拡大、無理な工期・納期の禁止) | 発注者・元請企業 |
| 2026年1月1日 | がん原性物質の記録保存義務(事業廃止時に労基署長へ提出) | 化学物質取扱事業者 |
| 2026年4月1日 | 個人事業者等への安全衛生措置義務の拡大/高年齢労働者の労災防止措置(努力義務)/化学物質の表示・通知対象物質の範囲拡大(約2,900種)/特定機械の検査制度見直し | 全業種の事業者 |
| 2026年10月1日 | 個人ばく露測定の義務化/カスタマーハラスメント防止措置の義務化 | 化学物質取扱事業者/サービス業等全業種 |
| 2027年4月1日 | 個人事業者自身の義務(安全装置のない機械使用禁止、安全衛生教育の受講義務) | 個人事業者・フリーランス |
| 公布後3年以内(最長2028年5月) | ストレスチェック全事業場義務化(50人未満も対象) | 全事業場(小規模含む) |
この表からわかるとおり、2026年4月1日が最も多くの改正事項が施行される「集中日」です。多くの企業にとって、まずはこの日を最重要マイルストーンとして準備を進める必要があります。
各施行日の改正内容を詳しく解説
2025年5月14日(公布日施行):注文者の配慮義務の拡大
改正法の公布と同時に施行されたのが、注文者(発注者)の配慮義務の拡大です。
従来、建設業に限定されていた注文者の安全配慮義務が、製造業やサービス業など全業種に拡大されました。具体的には、発注者が受注者に対して無理な工期や納期を設定することが禁止され、安全で衛生的な作業の遂行を妨げるような条件を付すことが制限されます。
この改正は、下請け構造のもとで納期プレッシャーにより安全対策が後回しにされがちだった実態を改善することを目的としています(厚生労働省, 2025)。立ち仕事の現場でも、短納期による長時間の連続立位作業が腰痛や下肢障害の一因となっていることは、多くの研究で指摘されています。
2026年1月1日:がん原性物質の記録保存義務
2026年最初の施行日となる1月1日には、がん原性物質に関する記録保存義務が強化されます。
改正のポイントは、事業者が事業を廃止する際に、がん原性物質のばく露記録を所轄の労働基準監督署長に提出しなければならなくなる点です。従来は事業者自身が保存していればよかったのですが、事業廃止により記録が散逸するリスクがあったことから、行政への提出が義務化されました。
化学物質を取り扱う製造業の現場では、立ち仕事をしながら化学物質にばく露するケースが少なくありません。身体的負担と化学的ばく露が重なる環境で働く方にとって、記録の確実な保存は将来の健康管理に直結する重要な問題です。
2026年4月1日:安衛法スケジュールの最大の山場
2026年4月1日は、4つの重要な改正が同時に施行される最大の山場です。それぞれ確認していきましょう。
個人事業者等への安全衛生措置義務の拡大
元方事業者が講じるべき安全衛生措置の対象が、雇用する労働者だけでなく、同じ場所で働く個人事業者(フリーランス)にも拡大されます。建設現場や工場で個人事業者と協働するケースでは、元方事業者が個人事業者の安全も含めて管理する体制の構築が求められます。
近年、フリーランスとして働く人が増加する中、労働安全衛生法の保護が及ばない「制度の隙間」が問題視されてきました。今回の改正は、働き方にかかわらず、すべての就業者の安全と健康を守るという方向への大きな一歩です。
高年齢労働者の労災防止措置(努力義務)
高年齢労働者に対する労災防止措置が努力義務として規定されます。高齢化が進む日本の労働市場において、65歳以上の就業者数は年々増加しており、高年齢労働者の労災発生率は若年層と比較して高い水準にあります(厚生労働省「労働災害統計」)。
立ち仕事の現場では、加齢に伴う筋力低下やバランス能力の低下が転倒・腰痛リスクを高めることが知られています。作業環境の改善、適切な休憩の確保、身体負荷を軽減する補助器具の導入など、年齢特性に応じた対策が今後いっそう重要になります。
化学物質の表示・通知対象物質の範囲拡大
SDS(安全データシート)の交付や容器へのラベル表示が義務付けられる対象物質が、約2,900種に大幅拡大されます。これまで対象外だった物質も含め、化学物質を取り扱う事業場では、SDSの整備状況を総点検する必要があります。
特定機械の検査制度見直し
クレーンやボイラーなどの特定機械等の検査制度が見直しされます。検査の効率化と安全性の両立を図る改正であり、該当する機械を保有する事業場は新制度への移行準備が求められます。
2026年10月1日:個人ばく露測定とカスハラ防止の義務化
個人ばく露測定の義務化
化学物質の管理手法として、作業場の環境測定に加え、個人ばく露測定が義務化されます。労働者一人ひとりが実際にどの程度の化学物質にばく露しているかを把握することで、より精密なリスク管理が可能になります。
カスタマーハラスメント防止措置の義務化
労働施策総合推進法の改正と合わせ、カスタマーハラスメント(カスハラ)防止のための措置が事業者に義務化されます。小売業、飲食業、医療・介護など、顧客と直接接する立ち仕事の現場では、カスハラが深刻な問題となっています。
日本労働組合総連合会の調査(2024)によると、接客業従事者の約4割がカスハラを経験したことがあると回答しています。身体的負担に加えて精神的ストレスを受ける環境は、労働者の心身の健康を大きく損ないます。対応マニュアルの整備、相談窓口の設置、従業員研修の実施などが、事業者に求められる具体的な取り組みとなります。
2027年4月1日:個人事業者自身の義務
2026年4月の改正で「元方事業者が個人事業者を守る義務」が課されたのに対し、2027年4月からは個人事業者自身にも安全衛生上の義務が課されます。
具体的には、安全装置のない機械の使用禁止や安全衛生教育の受講義務が定められます。フリーランスの方が建設現場や工場で作業を行う際に、自らの安全を自ら確保するための最低限の義務が法定化されるわけです。
公布後3年以内(最長2028年5月):ストレスチェック全事業場義務化
現行法では常時50人以上の労働者を使用する事業場にのみ義務付けられているストレスチェックが、従業員数にかかわらずすべての事業場に義務化されます。
厚生労働省の調査によると、仕事に強いストレスを感じている労働者の割合は全体の約8割に達しています(厚生労働省「労働安全衛生調査」2023)。立ち仕事の現場では、身体的疲労と精神的ストレスの複合的な負担が問題になりやすく、小規模事業場であっても従業員のメンタルヘルスケアは不可欠です。
施行日の詳細は今後の政令で定められますが、遅くとも2028年5月までに施行される見通しです。小規模事業場は実施体制の整備に時間がかかるため、早めの準備をお勧めします。
企業の準備タイムライン:いつまでに何をすべきか
段階施行のスケジュールを踏まえ、企業が取り組むべき準備をタイムラインで整理します。
今すぐ着手すべきこと(2025年後半〜)
- 自社に関係する改正事項の洗い出し: 上記の施行スケジュール表と自社の事業内容を照らし合わせ、対応が必要な項目をリストアップする
- 注文者の配慮義務への対応確認: すでに施行済み。発注先との契約条件に無理な工期・納期がないか点検する
- がん原性物質の記録整理: 2026年1月施行に向け、既存の記録を整理・電子化しておく
2026年4月までに対応すべきこと
- 個人事業者の安全管理体制の構築: 現場で協働する個人事業者の把握、安全衛生教育の提供体制の整備
- 高年齢労働者向けのリスクアセスメント: 年齢構成の確認、転倒防止対策、作業負荷の軽減策の検討
- 化学物質のSDS・ラベル表示の総点検: 対象物質の拡大リストと自社使用物質の照合、不足するSDSの入手
- 特定機械の検査対応: 新制度下での検査スケジュールの確認
2026年10月までに対応すべきこと
- 個人ばく露測定の体制整備: 測定器の調達、測定手順の策定、外部機関への委託検討
- カスハラ防止体制の構築: 対応マニュアルの作成、相談窓口の設置、従業員向け研修の実施
2027年4月以降に向けて
- 個人事業者との契約見直し: 安全衛生教育の受講証明の確認、安全装置に関する取り決め
- ストレスチェック実施体制の早期構築(50人未満の事業場): 実施者の確保、外部委託先の選定、年間スケジュールの策定
立ち仕事の現場で特に注目すべきポイント
今回の改正は広範囲にわたりますが、立ち仕事の現場に特に関係の深い改正事項を改めて強調します。
高年齢労働者の労災防止措置は、製造業、小売業、医療・介護など、立ち仕事が中心となる業種で特に重要です。長時間の立位作業は加齢とともにリスクが高まるため、疲労軽減マットの導入、適切な休憩スペースの確保、身体負荷を軽減する補助器具の活用など、ハード・ソフト両面からの対策が求められます。
また、カスタマーハラスメント防止措置は、小売業や飲食業、医療機関の受付など、接客を伴う立ち仕事の現場において極めて重要な改正です。身体的な疲労と顧客からのハラスメントが重なることで、離職率の上昇や慢性的な健康被害につながるリスクがあります。
ストレスチェックの全事業場義務化も、小規模な飲食店や美容院、クリニックなど、少人数で立ち仕事に従事する事業場にとって大きな変化です。これまで対象外だった事業場も、メンタルヘルスケアの体制整備が必要になります。
まとめ
2026年の労働安全衛生法改正は、2025年5月の公布から最長2028年5月まで段階的に施行される大規模な改正です。改正の施行日はいつからかを正確に把握し、自社に関係する事項を優先順位付けして計画的に準備を進めることが重要です。
本記事のポイントを改めて整理します。
- 2026年4月1日が最大の山場: 個人事業者への措置拡大、高年齢労働者対策、化学物質管理の強化など4項目が同時施行
- 2026年10月1日: 個人ばく露測定とカスハラ防止が義務化
- 2028年5月まで: ストレスチェックが全事業場に義務化
- 今すぐ: 自社に関係する改正事項の洗い出しと準備計画の策定に着手すべき
法改正への対応は、単なるコンプライアンスの問題ではありません。働く人の安全と健康を守る取り組みは、人材確保や生産性向上にも直結します。特に立ち仕事の現場では、身体的負担の軽減と法令遵守を両立させる視点で、改正への対応を進めていただきたいと考えます。
※本記事の情報は2025年7月時点のものです。施行日の詳細(特にストレスチェック義務化)は今後の政令により確定するため、厚生労働省の最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q: 2026年の労働安全衛生法改正で、最初に施行されるのはいつですか?
A: 改正法は2025年5月14日に公布され、注文者の配慮義務の拡大は公布日に即日施行されています。その後、2026年1月1日、4月1日、10月1日、2027年4月1日と段階的に施行され、最長で2028年5月までにすべてが施行される予定です。
Q: 小規模事業場(従業員50人未満)に関係する改正はありますか?
A: はい。最も影響が大きいのは、ストレスチェックの全事業場義務化です。現行法では50人以上の事業場のみが対象ですが、改正により従業員数にかかわらずすべての事業場が対象になります。施行は公布後3年以内(最長2028年5月)の見通しです。早めに実施体制を検討することをお勧めします。
Q: カスタマーハラスメント防止の義務化は労働安全衛生法の改正ですか?
A: カスタマーハラスメント防止措置の義務化は、正確には労働施策総合推進法の改正によるものです。ただし、今回の労働安全衛生法改正と同時期に審議・成立しており、2026年10月1日に施行される予定です。労働安全衛生の観点からも密接に関係するため、一体的に対応を進めることが望ましいです。
Q: 高年齢労働者の労災防止措置は「義務」ですか、「努力義務」ですか?
A: 2026年4月1日施行の段階では努力義務です。ただし、努力義務であっても労災が発生した場合に対策を講じていなければ、安全配慮義務違反として民事上の責任を問われる可能性があります。「努力義務だから対応しなくてよい」とは考えず、積極的に取り組むことが推奨されます。
参考文献
- 厚生労働省, 「労働安全衛生法等の一部を改正する法律の概要」, 2025年. https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省, 「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」, 2023年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r05-46-50.html
- 厚生労働省, 「労働災害統計(令和5年)」, 2024年. https://www.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省, 「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」, 2020年. https://www.mhlw.go.jp/
- 日本労働組合総連合会, 「カスタマー・ハラスメントに関する調査」, 2024年. https://www.jtuc-rengo.or.jp/
- 厚生労働省, 「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」, 2024年. https://www.mhlw.go.jp/

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