【ホテル業界にも働き方改革を】ホテル従業員の立ち仕事改善|客室清掃・宴会配膳の現場が抱える課題と改善の方向性

ホテル業界は、「おもてなし」の裏側で従業員の身体に大きな負担がかかる業界です。客室清掃、宴会場の配膳、フロント対応——いずれも長時間の立ち仕事と中腰作業が避けられません。慢性的な人手不足が続くなか、従業員の身体的負担をいかに軽減するかは、サービス品質と人材確保の両面から喫緊の課題となっています。
この記事でわかること
- ホテルの客室清掃・宴会配膳における作業の特徴と身体負荷
- 現場で起きやすい身体の不調と、管理者が抱えやすい悩み
- 職場改善が検討される背景やきっかけ
- 改善の方向性として考えられるアプローチ
ホテル業界における立ち仕事の実態
業界・工程の特徴
ホテル業界の業務は、接客と作業が一体となっている点に特徴があります。
客室清掃(ハウスキーピング) は、ベッドメイキング、バスルーム清掃、アメニティ補充、掃除機がけなど、多様な作業を限られた時間内にこなす必要があります。チェックアウトからチェックインまでの数時間で全室を完成させなければならず、時間的プレッシャーのなかで中腰・前屈・反復動作が繰り返されます。
宴会場の配膳 では、重いテーブルやイスの搬入・配置、大量の食器・グラスの運搬、テーブルセッティングが短時間で行われます。宴会の規模によっては、数百名分のセッティングを数時間で完了させることもあり、身体への負担は小さくありません。
フロント・コンシェルジュ は、硬い床面での長時間立位が基本です。笑顔での接客が求められる一方で、足腰には静的な負荷がかかり続けます。
現場でよくある困りごと
ホテルの現場では、以下のような困りごとが生じやすいと考えられます。
- 腰の痛みやだるさ: 特に客室清掃では、ベッドメイキングや浴室清掃で腰を酷使する。勤務後半になると痛みが増し、作業スピードが落ちるというケースも想定される
- 肩・首のこわばり: 高い場所の清掃、重いトレイの運搬などで肩・首に慢性的な負担がかかりやすい
- 足裏・ふくらはぎの疲労: フロントスタッフや配膳スタッフは、硬い床面での立位・歩行が長時間続くため、下肢の疲労が蓄積しやすい
- 手首・指の痛み: 絞り動作、繰り返しの拭き掃除、食器の持ち運びなどで手首に負荷がかかる
- 疲労の蓄積: 不規則な勤務シフト(早朝・深夜)により、身体の回復が追いつかないことがある
現場の声・管理者のよくある悩み
ホテル業界の管理者やマネージャーが抱えやすい悩みとしては、以下のようなものが挙げられます。
離職リスクへの懸念 身体的な負担を理由に退職する従業員は少なくないとされています。特に客室清掃は体力的にきつい職種であり、経験を積んだベテランスタッフが腰痛や膝痛を理由に離職してしまうと、サービス品質の低下と採用コストの増加という二重の課題が生じます。
安全衛生管理の難しさ 複数のフロアにまたがる客室、広い宴会場など、作業場所が分散しているため、一人ひとりの作業状況を把握しにくいという問題があります。身体の不調を抱えていても、繁忙期には言い出しにくい雰囲気が生まれやすいことも懸念されます。
人材育成と定着の課題 ホテル業界全体で人手不足が指摘されるなか、新人スタッフの育成には時間がかかります。身体の使い方や作業の効率的な手順を身につける前に離職してしまうケースもあり、教育コストの回収が難しいという声も聞かれます。
インバウンド需要への対応 訪日外国人旅行者の増加に伴い、客室稼働率は上昇傾向にあります。それに伴い1人あたりの清掃室数が増加し、従業員への身体的負担がさらに大きくなっている可能性があります。
改善のきっかけ
ホテル業界において、作業環境の改善が検討されるようになる背景には、いくつかの共通したパターンが考えられます。
身体的負担の放置がもたらすリスクの認識
従業員の腰痛や筋骨格系障害を「仕方ないもの」として放置し続けた場合、長期休職や離職の増加、作業ミス(清掃の質の低下、食器の破損等)、さらには労災事故のリスクが高まる可能性があります。こうした問題が顕在化したとき、改善の必要性が強く認識されるケースが多いとされています。
企業課題の延長としての改善意識
多くのホテルでは、「従業員満足度の向上」「労働環境の改善」「健康経営」といった経営課題の延長線上で、身体的負担の軽減が議題に上がることがあります。特に近年は、安全衛生管理の強化や働き方改革の推進が社会的に求められており、ホテル業界もその対応を迫られています。
改善の方向性として検討されやすいアプローチ
一般的に、以下のような方向性で改善が検討されることが多いと考えられます。
- 作業環境の見直し: 清掃用具の軽量化、カートの改善、床面への疲労軽減マットの設置など
- 作業手順の最適化: 人間工学に基づいたベッドメイキング手順の導入、作業動線の見直しなど
- 作業量の適正化: 1人あたりの担当室数の見直し、適切な休憩時間の確保など
- 教育・研修の実施: 正しい作業姿勢の教育、ストレッチの習慣化など
- サポート機器・補助ツールの活用: 腰部サポートベルト、膝パッド、立位補助機器など、身体への負荷を物理的に軽減するツールの検討
まとめ・今後への示唆
ホテル業界の立ち仕事は、接客という対人サービスと、清掃・配膳という身体労働が組み合わさった特殊な労働環境です。客室清掃員の腰痛有病率が50%を超えるというデータが示すように、身体的負担は「個人の体力の問題」ではなく、業界共通の構造的な課題です。
同様の現場で想定される共通の課題として、以下が挙げられます。
- 中腰・前屈姿勢の繰り返しによる腰痛
- 時間的プレッシャーのなかでの過負荷作業
- 慢性的な人手不足による1人あたりの負担増
- 身体の不調を申告しにくい職場文化
働き方改革や安全衛生対応の観点からも、ホテル業界における職場環境の改善は待ったなしの状況にあります。作業環境の見直し、人間工学的な対応、補助ツールの活用など、段階的に取り組みを進めていくことで、従業員の健康を守りながらサービス品質を維持向上させる——こうした改善パターンも、十分に実現可能であると考えられます。
参考文献
- Ezzatvar, Y., et al., “Prevalence of musculoskeletal disorders among hotel housekeepers and cleaners: A systematic review with meta-analysis,” Journal of Occupational Health, 2023.
- Hsieh, Y.C., et al., “Hotel housekeepers and occupational health: experiences and perceived risks,” Annals of Occupational and Environmental Medicine, 34, 2022.
- Sánchez-Jiménez, E., et al., “Chronic Pain and Work Conditions of Hotel Housekeepers: A Descriptive Study,” International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(7), 2022.
- 厚生労働省, 「職場における腰痛予防対策指針」, 2013年改訂.

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