腰痛の原因の48%が「起因物なし」!?重たい荷物だけが腰痛の原因ではないワケ

荷物を持たなくても腰は痛くなる
腰痛というと、「重い荷物を持ったときに起こるもの」と考えている人は少なくありません。しかし、実際の労災統計を見てみると、そのイメージとは異なる実態が浮かび上がってきます。独立行政法人労働者健康安全機構の「平成30年及び令和元年労働者死傷病報告における業務上腰痛の発生状況に関する報告書」によると、業務上腰痛の**約48.4%**が「起因物なし」、つまり「特定の物を扱っていない場面で発生している」とされています。
このデータは、腰痛の原因が必ずしも重量物の取り扱いに限定されないこと、そして私たちが見落としがちな「目に見えないリスク」が存在することを示唆しています。本記事では、なぜ「起因物なし」の腰痛が多いのか、その背景と対策について詳しく掘り下げます。
「起因物なし」とは?データが示す実態
まず「起因物なし」とはどういう意味かを確認しておきましょう。労災報告では、腰痛の発生時に何らかの物(荷物、患者、道具など)を扱っていたかどうかを分類しています。この「起因物」がないということは、
- 何かを持ち上げたり運んだりしていない
- 立っている・かがんでいるなどの姿勢保持中に痛めた
- 動作の繰り返しや持続的な緊張によって発症した
といったケースが該当します。
報告書では、全体の腰痛件数のうち**約半数(48.4%)**がこの「起因物なし」に分類されています。つまり、腰痛の半分以上は「何かを持った瞬間」ではなく、「何も持っていない状態」で起きているのです。

起因物別の業務上腰痛件数
出典:平成 30 年及び令和元年労働者死傷病報告における業務上腰痛の発生状況に関する報告書
なぜ「何もしていないのに」腰が痛むのか?
「物を持っていないのに腰が痛くなる」というのは、一見不思議に思えるかもしれません。しかし、その背景には明確な原因があります。主に以下の3つのタイプに分けて解説します。
1. 静的な姿勢の持続による負荷
立ち仕事やパソコン作業のように、同じ姿勢を長時間続けることは、筋肉や関節に慢性的なストレスを与えます。とくに、
- 中腰姿勢の維持(清掃、介護、調理など)
- 立ちっぱなしの接客
- 机に向かう前かがみ姿勢
こうした姿勢の持続は、筋肉が酸欠状態になり、疲労物質が蓄積して炎症や痛みに発展します。
2. 不自然な動作の繰り返し
軽作業でも、繰り返し行われることで腰部に負荷がかかります。たとえば、
- ベルトコンベア作業での身体のねじり
- 商品の棚入れでの前屈反復
- 書類の仕分け作業などによる腰の反復運動
これらは「軽い動作」でも、頻度と時間の蓄積によりリスクが増大します。
3. 姿勢や動作の誤り(人間工学的要因)
- 不適切な椅子や作業台の高さ
- 足元の滑りやすさ
- 無意識の姿勢の崩れ(猫背・反り腰など)
こうした「環境や習慣に由来する要因」は、本人が気づかないうちに腰部に負担をかけ続け、腰痛につながることがあります。
見えないリスクへの対策:腰痛予防は作業環境の見直しから
腰痛予防というと、「重いものを持つときの姿勢指導」が中心になりがちですが、「起因物なし」の腰痛が半数を占める現状では、次のような環境面・行動面の見直しが不可欠です。
1. 作業環境の人間工学的最適化
- 作業台や椅子の高さを体格に合わせる
- 足元マットや滑り止めを設置する
- 定期的に立ち位置を変えられるレイアウト設計
2. 姿勢変化の促進(動的作業への切り替え)
- 1時間に1回は姿勢を変えるアナウンス
- 交代制の導入(立ち作業⇔座り作業)
- タイマーで軽ストレッチを促す仕組み
3. 作業者教育と意識づけ
- 腰痛の要因と予防法に関する定期的な教育
- 簡単にできるストレッチ指導の動画共有
- 職場に掲示する腰痛予防ポスターの活用
腰痛対策は「見えない原因」から始める
腰痛の原因は「目に見える荷物」だけではなく、日々の作業姿勢や職場環境、作業習慣に潜んでいます。起因物なしの腰痛が半数を占めるという事実は、予防の重点が「作業動作」から「作業環境」へとシフトすべきであることを示唆しています。
企業や職場は、単なる安全衛生対策ではなく、人間工学に基づいた働きやすい環境づくりを進めることで、腰痛を未然に防ぐことができます。そしてそれは、従業員の健康維持にとどまらず、生産性の向上や離職防止にもつながる、長期的な職場改善の一歩となるのです。

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項目 | 内容 |
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時間 | 10:00〜17:00 |
会場 | 幕張メッセ |
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来場予定者数 | 約35,000人(予定) |
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