【10月1日から7日まで】全国労働衛生週間とは?働く人の健康と安全を考えよう

概要と歴史的背景
全国労働衛生週間(ぜんこくろうどうえいせいしゅうかん)は、毎年10月1日から7日までを本週間とし、9月1日から30日を準備期間として、全国の事業場・職場で労働衛生(=働く人の健康と安全)に関する啓発・点検の機会とする取り組みです。 (mhlw.go.jp)
この週間は、昭和25年(1950年)から始まり、以後毎年継続して実施されており、2025年時点で第76回を迎える運動です。
実施主体としては、厚生労働省が中心となり、中央労働災害防止協会(中災防)、**建設業労働災害防止協会(建災防)**など関連団体が協働して、全国の職域でさまざまな活動を展開します。
目的は、主に次の三つです:
- 労働衛生に関する国民および事業場の意識向上
- 事業場における自主的な健康管理・安全衛生活動の促進
- 労働災害・健康障害(過労・メンタル不調・化学物質の影響など)の未然防止
全国労働衛生週間は、単発の啓発キャンペーンという枠を超えて、日々の職場文化・安全衛生管理体制を見直す契機として位置付けられています。
2025年(令和7年度)の全国労働衛生週間 ─ スローガンと重点領域
今年度のスローガン
2025年のスローガンは、次のとおりです:
「ワーク・ライフ・バランスに意識を向けて ストレスチェックで健康職場」
このスローガンには、働き方改革や心身の健康を意識した職場づくりを強化するメッセージが込められています。特に ストレスチェック制度 の実施・活用を通じて、メンタルヘルス対策を全事業場に浸透させようという意図が示されています。
また、令和7年5月に 労働安全衛生法が改正 され、労働者50人未満の事業場についてもストレスチェックの実施が義務化される点が強く意識されています。
重点領域・推進方針
厚生労働省は、2025年の全国労働衛生週間において、以下を重点分野としています。
分野 | 内容・狙い |
---|---|
高年齢労働者の健康管理 | 高齢化を迎える労働力に対応する健康維持策の強化 |
長時間労働・過労死対策 | 長時間労働による疾病リスクの低減、過重負荷の是正 |
メンタルヘルス対策 | ストレスチェックの活用、職場のこころのケア強化 |
病気を抱える労働者の「治療と仕事の両立支援」 | 障害・疾病を抱える人も働き続けられる制度・環境整備 |
化学物質対策 | 特定化学物質・石綿などの規制・リスクアセスメント徹底 |
リスクアセスメント・低減措置の実施 | 各事業場での見える化・改善策導入の促進 |
これらは、単なるスローガンや標語として掲げられるだけでなく、個別事業場レベルでの行動変革を強く促す方向性です。
各団体による支援と活動の枠組み
中災防(中央労働災害防止協会)の役割と支援
中災防は、安全衛生教育や啓発・技術支援などを全国レベルで展開しており、全国労働衛生週間関連の主要なプラットフォームを担っています。
主な支援内容には、次のようなものがあります:
- 安全衛生教育・講師派遣:テーマ別研修、実務者向け研修、メンタルヘルス教育など
- 安全衛生技術サービス:作業環境測定、化学物質の分析、リスクアセスメント支援など
- ストレスチェック支援:Web受検サービス、結果活用指導、無料相談など
- 啓発資材・標語募集:ポスター・リーフレットの頒布、キャンペーン素材提供
- 登録制度・表彰制度:ゼロ災運動登録、無災害記録証など表彰・登録制度を通じた動機付け

こうした活動によって、個別事業場が自発的に安全衛生活動を継続するための“外部後押し”が提供されています。
建災防(建設業労働災害防止協会)の対応
建設業分野に特化した安全衛生対策を担う建災防も、全国労働衛生週間関連の要領策定や普及活動を行っています。全国労働衛生週間の実施要領は建災防のサイトでも公開されており、建設現場での具体的留意点やテンプレートが提示されています。
建設業では、騒音・振動・有害物質・高所作業・粉じん・労働時間管理など、リスク要因が多岐にわたるため、建災防の配布資料や手引きは、現場実務者にとって不可欠なガイドとなっています。
さらに、建災防では「全国労働衛生週間」の運動展開にあたって、地区別・業種別ガイドライン、ポスター・標語など資材提供を通じて職場での取り組みを後押ししています。
その他民間メディア・解説の視点(LaKeelなど)
企業向け動画配信サービスを手がける LaKeel のコラムでは、「全国安全週間との違い」や「実施すべき内容」などを実務的な視点で整理しています。
たとえば、LaKeel は以下のような点を強調しています:
- 全国安全週間(労働安全・災害防止を主眼とする運動)との違い
- 衛生週間における「健康づくり(からだ・こころ)」施策の具体領域
- 職場で日常的に取り組むべき安全衛生活動のチェックリスト案
- 実践例を交えた運動のヒントやポイント
こうした民間メディアの解説も、現場担当者視点での理解を補強する材料となります。
安全週間 vs 衛生週間:両者の違いと役割
全国には「全国安全週間」という運動も存在します。安全週間と衛生週間はいずれも労働者の安全・健康を促進するものですが、焦点や対象領域に違いがあります。
観点 | 全国安全週間 | 全国労働衛生週間 |
---|---|---|
主な対象 | 事故・災害防止、墜落・転落、機械安全、労働災害全般 | 健康管理、疾病予防、メンタルヘルス、化学物質リスクなど |
実施時期 | 毎年6月の第1週など(安全週間) | 10月1日~7日(準備は9月) |
主導機関 | 厚生労働省+関係機関 | 厚生労働省を中心、中災防など協働 |
主な内容例 | 防護具、機械点検、安全教育、危険予知訓練 | 健康診断、ストレスチェック、作業環境測定、化学物質対策 |
このように、安全週間と衛生週間は補完関係にあり、両者を組み合わせて取り組むことで、職場として「安全 × 健康」の両輪を強化できます。 LaKeel のコラムでもこの違いと連動性を丁寧に説明しています。
安全と衛生、それぞれの運動があることで、「事故をゼロにする」「健康を守る」両方の視点からの職場改善が可能になります。

事業場での具体的取り組みとチェックポイント
全国労働衛生週間を機に、各事業場で実践すべき具体的施策やチェックポイントを、特に立ち仕事が多い職場向けに整理します。
① 準備期間(9月)にすべきこと
- スローガンの選定・掲示 社内でオリジナルスローガンを公募して意識を高める。標語募集なども中災防が案内。
- 職場巡視・リスク把握 過去の健康障害・災害の発生傾向、作業のストレスポイントを洗い出す
- 担当者・推進体制の設置 衛生・健康担当者、プロジェクトチームなどを編成
- 啓発資材・配布物準備 ポスター、リーフレット、パンフレットなどを確保・印刷
- 講話・教育の企画 衛生教育、メンタルヘルス研修、体操/ストレッチ指導などを企画
建災防の要領も、準備体制構築や日程調整の指針を示すテンプレートを提供しています。
② 本週間中の活動例
- 衛生講話・健康教育 メンタルヘルス、生活習慣改善、腰痛予防、休憩とストレッチなど
- ストレスチェック・その活用 受検率向上、結果分析、職場改善策立案
- 作業環境測定・改善 照明・換気・温湿度・騒音・粉じんなどの測定 → 改善対応
- 巡視・意見聴取 現場を巡回し、作業者の声を聴く。ヒヤリハット報告等活用
- 作業姿勢の見直し・人間工学的改善 高さ調節、台の設計、作業動線見直し
- 休憩導線・制度の見直し 適切な休憩時間・導線確保、休憩施設の改善
- 啓発・広報活動 スローガン掲示、安全衛生新聞の配布、動画上映、ポスター展示
- フォローアップ策の計画立案 本週間終了後も継続できる改善案を立て、実行に移す
これらの活動は、単発イベントにとどまらず、年間を通じた改善活動の“入口”とすべきものです。
③ フォローアップ・成果の定着
- 週間後に 振り返り会 を実施し、改善効果・課題を共有
- 担当者による改善計画 を年間スケジュールに落とし込む
- 安全衛生管理システム(OSHMS) の構築・運用に結びつける
- 表彰制度 や 登録活動(無災害記録、ゼロ災運動登録など)を通じて継続意欲を刺激

立ち仕事の現場における「衛生週間活用」ポイント
立ち仕事の多い業種(小売、接客、物流、製造ラインなど)では、特有の健康リスクが存在します。全国労働衛生週間を契機に以下のような視点で取り組むことで、実効性の高い改善が期待できます。
主な健康リスクと着目点
リスク | 原因・要因 | 改善の着眼点 |
---|---|---|
腰痛・下肢疲労 | 長時間立位、前屈・負荷動作 | 立ち姿勢の改善、腰サポーターや足元マット導入 |
足のむくみ・静脈障害 | 血流滞留、足の屈伸不足 | 定期的な足首回し・ストレッチ、休憩促進 |
筋疲労・筋肉痛 | 筋肉の持続負荷 | 作業間インターバル、筋力トレーニング教育 |
骨・関節への負荷 | 無理な姿勢、偏った荷重 | 作業動線設計、定期的な健康チェック |
メンタルストレス | 休憩不足、心理的負荷 | ストレスチェック、相談窓口設置、職場コミュニケーション改善 |
これらを踏まえ、衛生週間で実施すべき立ち仕事対策例を以下に挙げます。

立ち仕事現場で進めたい具体策
- 足元マット・制振マットの導入 クッション性のあるマットで足・膝・腰への衝撃を軽減。
- 可動式作業台・台の高さ調整 作業者の身長や姿勢に合わせ、前かがみを減らす設計。
- 休憩導線の確保とこまめなインターバル制度 作業時間内に短い足休め時間を設け、動線誘導も見直す。
- ストレッチ・休息指導 就業前・中休みにストレッチタイムを導入。簡易体操を全員で実施。
- 作業動線と人員配置見直し 過度な往復動作を減らすレイアウト改善。流れ作業の再構築。
- 巡回チェックとヒアリング 現場担当者が歩き回り、実務上の負荷点を聴取・記録。
- 健康診断・再検査・フォローアップ強化 足腰・循環器系の検査を重点化し、異常があれば早期対応。
- メンタルケアとの統合 心身の負荷は相互に影響するため、ストレスチェック等との併用が効果的。
これらは、衛生週間の活動をきっかけに「立ち仕事改善プロジェクト」として継続化していくことが望まれます。
なぜ“今”全国労働衛生週間が重要か?
法制度・時代変化との整合性
- 先述のとおり、2025年に 50人未満事業場でもストレスチェック義務化 という法改正が実施される点は、衛生週間におけるメンタルヘルス対策強化を必然化します。
- 働き方改革や健康経営の普及により、職場健康管理への期待・要求は高まっています。
- 高齢化・多様化する労働力(副業・兼業、障害者雇用など)に対応するには、健康リスク管理が避けて通れないテーマです。
投資・コストとのバランス
衛生週間による改善活動は、初期コストがかかるものもありますが、中長期的には以下のようなリターンが見込めます。
- 労働災害や疾病の減少 → 休業補償・代替人員コスト削減
- 生産性向上 → 疲労軽減・集中力維持
- 離職率の抑制 → 人材採用・再教育コスト低下
- 健康経営・ESG評価の向上 → 企業ブランド強化
こうした観点から、衛生週間を単なる義務・形式ではなく戦略的取組とする企業も増えています。
意識変革の契機
多くの職場は、日常の運営に追われがちで、「健康・安全」は後回しになりがちです。しかし、衛生週間は“全員参加のムーブメント”として実施するため、以下のような効果があります:
- 社員一人ひとりの意識喚起(“衛生・健康”への関心を高める)
- 管理者・現場担当者の目を現場課題に向けられる機会
- 改善のための小さな成功体験の蓄積 → 継続意欲の形成
こうして、衛生週間をきっかけにして職場の“安全衛生文化”を育てていくことが可能になります。
記事まとめと職場実践へのステップ
全国労働衛生週間は、毎年1回の取り組みでありながら、職場の安全衛生体制を見直す絶好の機会です。しかし、効果を出すためには、次のような“動線設計”が不可欠です。
- 準備期(9月)でできることを余裕を持って整える 担当者設定、スローガン設計、資材準備、巡視計画など。
- 本週間(10月1日~7日)の集中施策実施 講話、健康・作業環境チェック、アンケート、意見聴取、改善案作成など。
- フォローアップと定着化 振り返り、改善計画の年間スケジュール化、登録・表彰制度活用、OSHMSへの統合など。
- 立ち仕事現場での重点対応 足元マット設置、作業台・導線設計、ストレッチ導入、巡回チェック、健康診断強化など。
- メンタルヘルスとの統合的アプローチ ストレスチェック、相談窓口整備、コミュニケーション改善などを併行。
- 成果の見える化と共有 改善前後データ、社員アンケート、報告書や掲示を通じて成果を可視化。

🏢 JAPAN PACK 2025(日本包装産業展)とは?
JAPAN PACK 2025(日本包装産業展)は、包装・充填・搬送・保管・検査など、製造と物流を支える最先端の技術・製品・システムが集結するアジア有数の総合展示会です。食品・医薬品・化粧品・工業製品などあらゆる業界の製造・包装現場が抱える課題に対し、省人化・自動化・環境対応・高精度化を実現するソリューションが披露されます。業界の最新トレンドを掴み、導入・商談を進める場として、多くの現場関係者・経営者が来場しています。
🎯 出展対象
- 包装・充填機械、搬送・パレタイジング機器
- 検査・計量・ラベリング機器
- 包装資材、環境対応パッケージ
- 省エネ・省人化・自動化システム
- IoT・ロボティクス・AIを活用したスマートファクトリー関連機器
- メンテナンス、ライン統合、保守サービス など
👀 来場対象
- 食品・飲料・化粧品・医薬品・日用品・工業製品などの製造業関係者
- 包装・物流部門の責任者および現場担当者
- 新技術・新設備導入を検討している経営層・工場長
- 製造工程の効率化・自動化・環境対応を進めたい企業の開発・技術担当者 など
📍 開催概要
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | JAPAN PACK 2025 日本包装産業展 |
会期 | 2025年10月7日(火)〜10日(金) |
時間 | 10:00〜17:00 |
会場 | 東京ビッグサイト 東展示棟 4〜8ホール |
主催 | 一般社団法人日本包装機械工業会 |
来場予定者数 | 約40,000人(予定) |
入場方法 | 公式Webサイトからの事前登録制(無料) |
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