いま、「立ち椅子」が熱い! どんな職場に向いている?その理由とメリットを徹底解説

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立ち椅子とは?——座ると立つの“いいとこ取り”

近年、オフィスや工場、医療現場など多様な職場で注目を集めているのが「立ち椅子(スタンディングチェア)」です。

立ち椅子とは、通常の椅子のように完全に腰を下ろすのではなく、立ったまま軽く腰を預けることで身体を支える構造の椅子です。英語では”perching stool”や”leaning chair”と呼ばれることもあり、スタンディングデスクとの相性が良く、近年の働き方改革の流れの中で再評価されています。

一般的な椅子と比較すると、座面の高さが高く、座面が前傾しているのが特徴です。または、座面はなく、スネや腰を前から支えるタイプもあります。使用者は座面に全体重をかけるのではなく、一部の体重を預ける形で使うため、「立ち姿勢」と「座り姿勢」の中間のようなポジションを取ることができます。

なぜ今、立ち椅子なのか?——背景にある3つの変化

座りすぎの健康リスクが注目されている

「座りすぎは新たな喫煙」とも言われるように、長時間の座位は健康にさまざまな悪影響を及ぼすとされています。特に現代のオフィスワーカーは、1日8時間以上を座って過ごすケースも珍しくなく、腰痛や肩こり、血行不良、肥満、糖尿病、心血管疾患のリスクが増加するといった研究結果もあります。

こうした背景から、スタンディングデスクの導入が進む一方で、長時間立ちっぱなしでいることの疲労や不快感も課題として浮上しています。立ち椅子は、これらの問題に対して「部分的な着座」によってバランスよく身体をサポートできる新しい選択肢として注目されています。

立ち作業の負担も見直され始めた

製造現場や医療現場、小売業など、伝統的に立ち作業が主流であった職場でも、長時間立ち続けることの身体的リスクが再認識されています。長時間の立位姿勢は、ふくらはぎや膝、足裏、腰への負担が大きく、下肢の静脈瘤や腰痛の原因になることもあります。

これまで「立って作業するのが当然」とされてきた職場でも、従業員の健康維持や働きやすさの観点から、負担を軽減する方法のひとつとして立ち椅子の導入が検討されるようになっています。

職場の人間工学・安全衛生意識の高まり

近年、企業では安全衛生管理や人間工学に基づいた職場設計への関心が高まっており、「快適かつ持続可能な作業環境」の整備が重要視されています。こうした流れの中で、椅子や机といった家具も単なる備品ではなく、「生産性と健康を支えるツール」として見直されつつあります。

立ち椅子は、立ち作業の自由さを維持しつつ、身体への負担を減らすことができることから、こうした流れに合致した製品として脚光を浴びています。

立ち椅子の構造と機能——快適な立ち作業を支える仕組み

高さ調整機能

多くの立ち椅子はガス圧式やネジ式で高さの調整が可能です。作業台や使用者の身長に応じて最適な高さに設定できることで、無理な姿勢を強いられることがなくなり、長時間の使用でも疲れにくくなります。

傾斜した座面

座面が前方に傾いている設計が主流で、骨盤を自然に前傾させることで、腰椎のS字カーブを保つ姿勢を促進します。この姿勢は腰や背中への負担を軽減し、背筋を伸ばした理想的な姿勢を維持しやすくなります。あえて、座面を設けず、スネや腰を当てて前から支えるタイプもあります。

ベース部分の安定性と可動性

滑り止めのゴム脚やキャスター付きのベースなど、使用環境に応じた設計がされています。工場やラボなど移動が頻繁な現場ではキャスター付きが好まれ、長時間同じ場所で使う場面では安定性が重視されます。

クッション性と素材の工夫

座面に高反発クッションを用いたり、通気性のある素材を使うことで、長時間使用でも快適性を保てるよう工夫されています。また抗菌素材や防水加工など、衛生管理が求められる環境に対応した製品もあります。

立ち椅子のメリット——利用者にも企業にも嬉しい効果

身体への負担軽減

  • 下半身の筋肉や関節への負担を和らげ、長時間作業の疲労を軽減します。
  • 腰部への圧迫感を軽減し、腰痛の予防や改善にもつながります。
  • 静脈瘤や足のむくみなど、下肢への血行障害の予防効果も期待されます。

姿勢改善と筋力維持

  • 立ち椅子は腹筋や背筋、股関節周辺の筋肉を適度に使い続ける必要があり、自然と体幹の強化が図られます。
  • 姿勢が良くなることで、肩こりや首の疲れの軽減にもつながります。

集中力と作業効率の向上

  • 緊張感のある中腰姿勢は、完全な座位に比べて集中力を維持しやすいという報告があります。
  • 疲労によるミスの減少や、作業の質の向上にも貢献します。

離職率や事故リスクの低減

  • 身体的負担の少ない職場は、従業員の満足度を高め、離職リスクを下げる要因になります。
  • 疲労の蓄積が原因で発生するヒューマンエラーや事故のリスクを軽減する効果もあります。

どんな職場に向いているのか?

製造業・組立ライン

製品を組み立てる工程では、手元を確認しながら繊細な動作が求められるため、姿勢が安定していることが重要です。立ち椅子を活用すれば、移動性と安定性を両立させながら、負担の少ない姿勢での作業が可能になります。

医療現場(読影・助手など)

画像診断や手術の助手など、集中力を必要としつつ長時間の立位が求められる場面では、立ち椅子が有効です。視線や手元の高さを維持しやすく、疲労を抑えながら安定した姿勢を確保できます。

病院・薬局(薬剤師・調剤担当)

調剤やカウンター業務で長時間立ちっぱなしになる薬剤師や調剤士にとっても、立ち椅子は有効な選択肢です。省スペースで導入でき、適度な休息をとりながら業務を継続できます。

歯科クリニック・歯科衛生士

歯科診療やインプラント手術、予防処置などで長時間前かがみの姿勢を維持する必要がある歯科衛生士にとって、立ち椅子は腰や脚への負担を軽減しつつ安定した施術姿勢を支えます。

検査ライン

食品工場や電子部品製造など、立ちっぱなしでの細かい手作業が求められる検査ラインでは、立ち椅子によって視認性と姿勢の安定を両立できます。

物流現場

製品の梱包や仕分け、ピッキング作業などが集中する物流現場では、立ち椅子を活用することで効率を維持しつつ腰や脚の負担を軽減できます。自動化ラインの補助としても適しています。

小売・サービス業

レジ打ちや接客対応など、立ち続ける時間が長くなる業務では、立ち椅子の使用が腰や足への負担を軽減し、より快適な接客を支えます。高齢の従業員や長時間シフトがある店舗にも適しています。

オフィス・在宅ワーク

スタンディングデスクと併用することで、長時間のデスクワークにおける姿勢の切り替えが可能になり、集中力を保ちやすくなります。特に在宅勤務者にとっては、省スペースで導入できる点も魅力です。

まとめ:立ち椅子は“第3の姿勢”を支える存在

立ち椅子は、「完全に座る」でも「完全に立つ」でもない、“第3の姿勢”を可能にする画期的なアイテムです。

その柔軟な設計は、作業者の健康を守りながら作業効率を高め、安全衛生と生産性を両立させたい現場のニーズにマッチしています。導入によって従業員の定着率や満足度の向上が期待できるだけでなく、職場全体のパフォーマンス向上にも寄与します。

今後さらに広がるであろう立ち椅子の可能性。あらゆる業種・業態において、快適な作業姿勢を支えるソリューションとして、今こそ導入を検討する価値があります。

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立ち姿勢の負担軽減
「スタンディングレスト」

という新発想!

スタビハーフは、長時間の立ち仕事による足や腰への負担を軽減するために開発されたスタンディングレストです。スネやヒザをやさしく支えることで体重を分散し、足裏への負荷を大幅に軽減。作業中の疲労を和らげ、快適な姿勢をサポートします。

立ち作業の負担軽減デバイス

アルケリスは立ち姿勢の負荷軽減デバイスを販売中です。職場環境に合わせて、疲労軽減ジェルマットスタビ ハーフスタビフルから選ぶことができます。立ち仕事の身体疲労を軽減し、働く人に選ばれる職場づくりをサポートします。

製品写真(スタビハーフ)

立ち仕事の椅子「スタビハーフ」に座って仕事をする前立ち仕事の椅子「スタビハーフ」に座って仕事をする様子

身体負荷を軽減する

立ち姿勢では体重負荷が100%足裏に集中して、足や腰に負担がかかります。スタビハーフは体重を分散して支えるため、足裏への負荷を最大33%軽減することができます。

立ち姿勢では体重負荷が100%足裏に集中して、足や腰に負担がかかります。スタビハーフは体重を分散して支えるため、足裏への負荷を最大33%軽減することができます。

負荷軽減の検証データ

実証実験において、スタビハーフによる体重分散効果が示されました。

立ち姿勢とスタビハーフ使用時における体にかかる荷重を、圧力分布センサを用いて計測したところ、スタビハーフの使用により足裏の荷重が最大30%程度軽減することが明らかになりました。

スネ部のロールクッションが体重の一部を優しく支えることで、足裏の荷重が軽減していることがデータから示されました。

スタビハーフの負荷軽減効果検証実験の様子。立ち姿勢とスタビハーフ使用時における体にかかる荷重を、圧力分布センサを用いて計測したところ、スタビハーフの使用により足裏の荷重が最大30%程度軽減することが明らかになりました。

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