【平均して勤続4.2年で腰痛に】腰痛は薬剤師の職業病!?立ちっぱなしの薬剤師に忍び寄る腰痛リスクとは?

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はじめに:薬剤師の「腰」は今、悲鳴をあげている

調剤薬局や病院の薬剤部で働く薬剤師の皆さんが、日々直面している“隠れた健康課題”をご存じでしょうか?それは「腰痛(Low Back Pain:LBP)」です。腰痛は長時間の立ち作業、反復動作、そして高い集中力を要する作業環境のなかで、知らず知らずのうちに蓄積されていく身体的負担によって引き起こされることがあります。

腰痛といえば高齢者の悩みという印象を持つ方も多いかもしれませんが、実際には20代や30代の若手薬剤師の間でも「慢性的な腰のだるさ」「立ち仕事が続くと痛む」「寝ても疲れが取れない」といった悩みが多く報告されています。

今回は、台湾で行われた薬剤師10,000人超を対象にした調査研究をもとに、腰痛の発症状況やその原因、そして対策までをわかりやすく解説します。「私も当てはまるかも…」と感じた方は、ぜひこの機会に腰痛予防の第一歩を踏み出してみてください。


どれくらいの薬剤師が腰痛に悩んでいる?

台湾の研究では、20〜40歳の若い薬剤師10,470人を12年間追跡し、「腰痛で入院した」「外来で3回以上診療を受けた」ケースを調査しました。

その結果…なんと**6人に1人(16.6%)**が腰痛を発症していたのです。

この割合は、医療現場の他職種(看護師・理学療法士など)と比較しても決して低くはありません。薬剤師は比較的「体を動かさない仕事」と見なされがちですが、実際には1日に何百枚もの処方せんを処理し、歩き回りながら薬を集め、立ったままの姿勢で長時間作業するという“静かな重労働”が続きます。

発症までの平均年数は?

  • 平均:約4.2年で腰痛に

つまり、薬剤師になって数年以内に腰のトラブルが始まっていることがわかります。とくにキャリアを積んでいく30代後半にかけて、腰への負担が表面化しやすくなる傾向があります。


どんな人が腰痛になりやすい?4つのチェックポイント

1. 年齢が上がるとリスクもアップ

  • 36〜40歳の薬剤師は**28.5%**が腰痛あり
  • 若い世代(20〜25歳)の倍近いリスクです

加齢による筋力の低下や椎間板の変性、日々の姿勢癖が積み重なることで腰にかかるストレスが強くなると考えられます。

2. 女性のほうがやや高リスク

  • 女性薬剤師は男性より12%高い腰痛リスクがありました

これはホルモンバランスの変化や骨盤構造、妊娠・出産経験による骨格の変化が影響している可能性が指摘されています。また、女性のほうが痛みに敏感で「我慢せず受診する」傾向が高いため、統計上の差が出た可能性もあります。

3. 勤務先によっても差がある!

腰痛リスクが高かった職場は…

勤務先腰痛リスク
地域病院★★★★★ 最も高い
クリニック★★★★
薬局★★★
医療センター★ 低い

地域病院では、薬剤師1人あたりの処方数が多く、1日中立ちっぱなしという状況が続くことが珍しくありません。忙しさにより休憩時間も取りづらく、腰への負担が蓄積しやすい職場環境といえるでしょう。

4. 持病があるとさらに注意

  • 糖尿病:腰痛リスクが1.5倍に
  • 痛風:腰痛リスクが1.7倍に

糖尿病による血流障害、痛風による関節の炎症などが腰部に影響しやすく、結果として腰痛の発症リスクが高くなると考えられます。慢性疾患を持つ薬剤師は、日々の体調管理とともに、腰痛にも注意が必要です。


「もしかして自分も…?」薬剤師が感じやすい腰の違和感とは

腰痛は、急に起こるものではなく、「なんとなく腰がだるい」「夕方になると腰が重い」「しゃがむと痛む」など、日常の違和感から始まります。

そのまま無理をして仕事を続けてしまうと、慢性化してしまうことも。慢性腰痛になると、

  • 睡眠の質が下がる
  • 集中力が落ちる
  • 長時間の立ち仕事が苦痛になる といった支障が出やすくなり、結果的に仕事のパフォーマンスにも悪影響が及びます。

どうすれば腰痛を防げる?薬剤師にできる予防策

✔ 職場の工夫

  • 調剤棚の高さを見直す:背伸びやかがむ姿勢を減らすだけで腰への負担は大きく軽減します
  • 自動分包機の導入:重複作業を減らし、手首や腰への負担を軽減します
  • マットを敷く:スタンディングマットは足腰の衝撃を吸収し、疲労を軽減する効果があります

✔ 身体のケア

  • 1時間に1回はストレッチ:肩まわし・前屈・骨盤回しなど、腰回りの筋肉をほぐす簡単な運動がおすすめです
  • 腹筋・背筋のトレーニング:体幹を鍛えることで腰を支えやすくし、姿勢の崩れを防ぎます
  • 湯船に浸かる・温める:筋肉のこわばりを防ぎ、リラックス効果も期待できます

✔ 健康チェック

  • 糖尿病や痛風のある人は、
    • 腰の痛みを早めに相談
    • 年に1回は整形外科や内科での健康診断を
    • 食生活や運動習慣を見直すことも腰痛予防に有効です

図表でわかる!薬剤師の腰痛リスク

要因腰痛リスク(aHR)
女性1.12倍
年齢36〜40歳1.31倍
地域病院勤務1.94倍
クリニック勤務1.60倍
薬局勤務1.24倍
糖尿病1.55倍
痛風1.70倍
勤務先別にみた薬剤師の腰痛リスク

まとめ:腰痛対策は「個人」だけでなく「職場」でも

薬剤師の腰痛は、本人の体質や姿勢だけでなく、「どんな職場で、どんな働き方をしているか」に大きく左右されます。

「腰痛は仕方ない」と思わず、職場全体での見直しを検討してみてください。

  • ✔ 職場のレイアウト改善
  • ✔ 機器導入による負担軽減
  • ✔ 定期的な健康チェックとケア

さらに、職場内での情報共有や、腰痛対策に関する研修の実施も有効です。「腰が痛いのはみんな一緒」ではなく、「痛くならない働き方」を目指していくことが、持続可能な働き方につながります。

薬剤師は、患者さんの健康を支える重要な存在。その薬剤師自身が健康であることが、結果的に医療の質を高めることにもつながるのです。

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スタビハーフは、長時間の立ち仕事による足や腰への負担を軽減するために開発されたスタンディングレストです。スネやヒザをやさしく支えることで体重を分散し、足裏への負荷を大幅に軽減。作業中の疲労を和らげ、快適な姿勢をサポートします。

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製品写真(スタビハーフ)

立ち仕事の椅子「スタビハーフ」に座って仕事をする前立ち仕事の椅子「スタビハーフ」に座って仕事をする様子

身体負荷を軽減する

立ち姿勢では体重負荷が100%足裏に集中して、足や腰に負担がかかります。スタビハーフは体重を分散して支えるため、足裏への負荷を最大33%軽減することができます。

立ち姿勢では体重負荷が100%足裏に集中して、足や腰に負担がかかります。スタビハーフは体重を分散して支えるため、足裏への負荷を最大33%軽減することができます。

負荷軽減の検証データ

実証実験において、スタビハーフによる体重分散効果が示されました。

立ち姿勢とスタビハーフ使用時における体にかかる荷重を、圧力分布センサを用いて計測したところ、スタビハーフの使用により足裏の荷重が最大30%程度軽減することが明らかになりました。

スネ部のロールクッションが体重の一部を優しく支えることで、足裏の荷重が軽減していることがデータから示されました。

スタビハーフの負荷軽減効果検証実験の様子。立ち姿勢とスタビハーフ使用時における体にかかる荷重を、圧力分布センサを用いて計測したところ、スタビハーフの使用により足裏の荷重が最大30%程度軽減することが明らかになりました。

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