RULA法とは?上肢にかかる作業負荷を可視化する評価手法の決定版

作業姿勢のリスクを見逃していませんか?
現場作業やオフィスワークを問わず、長時間にわたる不自然な姿勢や反復動作は、作業者の身体に大きな負担をもたらします。特に肩や首、手首といった上肢(Upper Limb)は、繰り返し酷使されやすく、肩こりや腱鞘炎、腰痛などの職業性疾患を引き起こすリスクが高まります。こうしたリスクを定量的かつ効率的に評価し、適切な改善策を導くために有効なのが「RULA法(Rapid Upper Limb Assessment)」です。
RULA法は、作業中の姿勢をスコア化することで、筋骨格系への負担を数値で把握し、リスクの程度と対策の優先順位を明確にする評価手法として注目されています。本記事では、RULA法の基本構造から実際の活用事例、導入による効果、さらに関連キーワードも網羅し、より深くわかりやすく解説します。
RULA法の基本構造と評価方法
RULA法とは?
RULA(Rapid Upper Limb Assessment)法は、英国の人間工学研究者McAtamneyとCorlettによって1993年に開発されました。主に上肢にかかる姿勢負荷を短時間で評価できるため、製造業、物流、医療、サービス業、オフィスワークなど、幅広い業種で導入が進んでいます。
RULAは、対象者の姿勢を観察し、評価チャートを使ってスコアリングを行います。作業者の姿勢を6つの要素に分け、それぞれの負担を評価します:
- 上腕の位置と角度(Arm and Shoulder Position)
- 前腕の角度(Forearm Position)
- 手首の屈曲・ねじれ(Wrist Position)
- 首と胴体の傾き(Neck and Trunk Posture)
- 脚部の安定性(Leg Support)
- 筋肉の使用と負荷、外力の影響
これらを基に、0〜7のスコアを算出し、リスクレベルを4段階で分類します。
RULAスコアとリスクレベルの解釈
スコア | リスクレベル | 推奨される対応 |
---|---|---|
1〜2 | 低リスク | 直ちに改善は不要。経過観察を推奨。 |
3〜4 | 中リスク | 作業姿勢の見直しを検討。改善の余地あり。 |
5〜6 | 高リスク | 優先的に改善が求められる。 |
7 | 非常に高リスク | 即時対応が必要。重大な負荷がかかっている可能性。 |
このスコアリングにより、現場の管理者はどの姿勢や動作が特に問題なのかを可視化し、作業環境や工程設計の見直しに活かすことができます。
RULA法が注目される理由と導入メリット
なぜRULA法が選ばれるのか?
- 短時間で評価可能:1人あたり数分で評価が完了。
- 特別な機材不要:観察とチェックシートのみで実施可能。
- 再現性と客観性:誰が実施しても一定の基準で評価可能。
- 改善サイクルの可視化:評価→改善→再評価のPDCAが回しやすい。
導入によるメリット
- 身体負担の見える化:作業者の自覚症状と評価結果のギャップを埋める。
- 離職リスクの低減:過重負荷による退職や異動を未然に防止。
- 労災・健康被害の予防:エビデンスに基づいた対策で職場の安全性を高める。
- 業務効率の向上:作業姿勢を改善することで疲労やミスを軽減。

活用シーン別:RULA法の導入事例
1. 製造業・物流現場
- ライン作業での前かがみ姿勢や繰り返し作業の評価に最適。
- 腰・肩への負担を数値化し、作業台の高さや配置変更の根拠に。
2. 医療・介護現場
- 患者の移乗や身体介助における腰部・肩部の負担を評価。
- 職業性腰痛の予防に活用されている。
3. 飲食業・小売業
- 長時間の立ち仕事、前屈み姿勢、重いトレイの持ち運びなど。
- シフト管理や休憩タイミングの最適化にも貢献。
4. オフィス・IT業務
- デスクワークでの不良姿勢(猫背、手首の角度など)を評価。
- ワークステーションの配置改善、休憩導入の指針に。
図表:RULAスコア評価表
図番号 | 日本語キャプション | 英語キャプション | 画像ファイル名 |
図1 | RULA法によるスコア評価の一覧表 | RULA Score Evaluation Chart | rula-score-chart.png |
まとめ:RULA法は“働き方改善”の起点になる
RULA法は、作業姿勢という見えにくいリスクを数値化し、誰もが理解できる形に落とし込むツールです。労働安全衛生法で求められるリスクアセスメントの一環としても活用されており、企業が持続可能な職場環境を整えるうえで非常に有効です。
腰痛や肩こりといった不調が頻発する現場では、対症療法だけでなく、根本的な作業設計の見直しが求められます。RULA法は、その第一歩として導入されるべき評価手法といえるでしょう。
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